理事長あいさつ

きっかけ

 「NPO法人 あんだんて」を立ち上げるきっかけは、私、田島の自閉症の次男の将来を思って何かできないかと思ったことでした。初めは数人の親の集まりでしたが、徐々に人数も増え活動の幅も広がっていきました。


 平成9年、次男が年長だった時のことです。発語が遅れ、コミュニケーションがうまく取れないことを心配していたころ、通っていた園長先生の紹介で、太田市立中央小学校の「ことばの教室」に通うようになりました。そこには、私と同じような心配や悩みをもった保護者がいて、おしゃべりの会を開いていました。

 共通の話は尽きず、連絡を取り合って集まってはお互いの悩みを聞いていました。何度も会を重ねていくうちに、名前を付けることになり親の会「あんだんて」ができました。

 話合いや勉強会を続けるうちに、子ども達の成長にとって「遊び」が欠かせないものだと知り、平成11年10月、週に一度、子ども5人と保育士2人が集まり過ごすようになりました。


運営

 創立当初は活動場所探しから始まり、資金集め、認知度を高めるための広報活動、そして利用者・職員の募集に奔走しました。軌道に乗ってきてからは、新規事業を開始し、ならびに新事業所を設立しました。

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 活動にあたり、定期的に活動できる場所を確保することが関門でした。そんな中、太田市長のラジオで直々に相談する機会を得ることができ、その結果、元十字屋の2階を使うことが出来るようになりました。スポレク祭に参加し資金を集め、翌年「学童くらぶ ぽるか」が太田市の心身障害児集団活動訓練事業を受託し、ここから本格的に活動が始まりました。

 障がい児放課後等対策連絡会をはじめとする会議や勉強会、施設訪問などで、知識を増やし思いを深めていき、平成18年、運営基盤を確固たるものにするため、法人化しました。

 その後は、事業所新設や活動場所の移転、改名を経て、「ぽるか」「キャンバス」「スクラム」「まぁぶる」「あんだんて相談支援事業所」と5事業所を展開するまでになりました。


今後

 年々変化していく法の改定に対応していくこと、次の運営を任せる人材を育てること、新規事業所としてグループホームを作ること。「あんだんて」のこれからを考えてみました。


 平成28年には太田市障がい支援協議会に入会しました。その中で「放デイ部会」を発足し、市内の全23事業所に入会していただき、定例会を通じて連携を始めました。当法人の事業所だけではなく市全体の事業所が、より良いサービスを提供できるよう、そして利用者が楽しく過ごせ、家族が安心して預けられるよう、更に行政にも関わっていければと思っています。

 厚生労働省による平成30年2月5日開催の「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第17回)」において、「平成30年度の障害福祉サービス等報酬改定」が取りまとめられました。その中には放課後等デイサービスに関わる改定もありました。「医療的ケア児・重症心身障害児への支援を促進」「事業所の質の向上を促進」「地域で保育・教育を受けられる体制を促進」「障害の程度やサービス提供時間を踏まえた報酬へ」などです。これらの改定に対して、法人として柔軟に対応していく必要があると考えています。

 現在、「あんだんて」では、放課後等デイサービス、生活介護、相談支援の3事業を展開しています。どの事業所でも、全職員が日々の支援・業務に全力で取り組んでいます。その頑張りを更に次のステップに繋げていきたいと考えています。将来的には、「あんだんて」を立ち上げるきっかけを与えてくれた次男も入れるグループホームを設立できたらと考えています。


クレド

 平成28年度、新規プロジェクトとして「クレドカード」を作ることにしました。「クレド」とは経営理念のことです。常に信条を胸に仕事に取り組めるよう、携帯できるカード型にしました。


 法人内のクレド委員会が1年を通して会議を重ね意見を出し合い、各事業所での話し合いや関係各機関に対して行なったアンケートの結果を基に文面とデザインを考えました。

 オモテ面には「あんだんて」の職員として、大きな目標や支援・職場環境をよくするための項目、ウラ面にはつい忘れがちなこと、日頃から心に留めておきたいことを、より身近な言葉で端的に記載しました。

NPO法人 あんだんて

理事長

田島久恵